はじめに
こんにちは。
LeadClover社労士事務所の清永です。
今日は、ブログ集客を取り巻く厳しい現状と、それに対してどのような視点を持つべきかについてお話しします。
ブログ集客が厳しくなっている現実
Googleの検索結果に起きている変化
近年、Googleの検索結果を見ていると、明らかに個人ブログが上位に表示されにくくなっています。
AIの影響も確かにありますが、それ以上に大きいのは、Googleが「信頼できる記事やサイト」を優先的に上位表示する傾向を強めていることです。
一昔前であれば、何かを検索した時に個人の体験談や日記風のブログも頻繁に上位に現れていました。
しかし、最近の検索結果を見ると、大手企業のオウンドメディアや専門家が執筆したコンテンツが大部分を占めています。
たとえば、「糖質制限 効果」と検索してみてください。
以前なら個人の体験談ブログが多く表示されていましたが、今は医療系の専門サイトや大手健康メディアが上位を独占しています。
これは偶然ではなく、Googleの意図的な方針転換の結果なのです。
なぜGoogleは個人ブログを排除するのか
Googleがこのような変化を起こしている背景には、情報の正確性への強いこだわりがあります。
過去に医療や健康に関する不正確な情報が検索上位に表示され、それが原因で実際に健康被害が生じるケースが問題となりました。
そうした経験から、Googleは「間違った情報を極力検索結果に表示したくない」という強い意志を持つようになりました。
その結果、信頼性や専門性に乏しい個人ブログは徐々に検索結果から排除される傾向が強まっているのです。
この変化は、個人事業主や小規模企業にとって大きな打撃となっています。
限られた予算と人的リソースで運営している個人ブログが、大手企業や専門家と同じ土俵で勝負するのは、現実的に非常に困難だからです。
信頼性・専門性を高める方法とその現実
理想的な対策とその困難さ
Googleが重視する信頼性・専門性を高めるための方法は、確かに存在します。
しかし、これらの多くは個人レベルでは実現が困難であるのが現実です。
専門性の高い特化サイトにする
これは比較的実現可能な方法です。
たとえば、税理士の方であれば税務に関する情報のみを扱うサイトにする、美容師の方であれば髪の悩みに特化したサイトにするといった具合です。
しかし、これでも大手の専門メディアと競合することになり、容易ではありません。
一次情報を書く
自分の経験や独自の調査結果などを書くことも有効です。
しかし、継続的に一次情報を発信し続けるのは、時間的・労力的に大きな負担となります。
著者や運営者を明確にする
プロフィールを充実させ、運営者の専門性を明確にすることも重要です。
ただし、ここでも医師・弁護士・税理士などの国家資格を持つ専門家が圧倒的に有利となります。
一般的な個人事業主の場合、どれだけ経験があっても、資格という「わかりやすい専門性の証明」がないために不利な状況に置かれがちです。
関連性の深い被リンクを受ける
他のサイトから質の高いリンクを受けることも重要ですが、これは他者の協力が必要で、個人の努力だけでは限界があります。
指名検索やサイテーションを増やす
自分の名前や会社名で検索されるようになる、他のサイトで言及されるようになるといった対策も効果的ですが、これも時間がかかる上に確実性がありません。
現実的な例で考える対策の困難さ
具体例を挙げて考えてみましょう。地方で美容院を経営している田中さんという方がいるとします。
田中さんは20年の経験を持つベテラン美容師で、地元では評判の良い美容院を経営しています。
田中さんがブログで「髪のダメージを防ぐ方法」について記事を書いたとします。
内容は実体験に基づいた有益な情報で、実際に多くのお客さんに喜ばれてきた方法です。
しかし、同じキーワードで検索した場合、上位に表示されるのは大手化粧品会社の研究データを基にした記事や、毛髪診断士の資格を持つ専門家の記事になってしまいます。
田中さんの実体験がどれだけ価値のあるものでも、Googleの評価基準では不利になってしまうのです。
新しい時代の集客戦略：YouTubeという選択肢
なぜYouTubeが有効なのか
このような状況を踏まえると、ブログ以外の集客手段を検討する必要があります。
その中でも特に注目したいのがYouTubeです。
YouTubeがブログよりも有効な理由はいくつかあります。
まず、動画コンテンツは検索エンジンの信頼性評価の影響を受けにくいという点があります。
また、視聴者との距離感が近く、人柄や専門性を直接伝えやすいという特徴もあります。
さらに、YouTube内での検索結果は、Google検索ほど厳格な信頼性評価を受けません。
つまり、個人の専門家でも大手企業と対等に競争できる可能性が高いのです。
顔出しが難しい場合の解決策
「動画は有効だと思うけれど、顔出しは抵抗がある」という方も多いでしょう。
確かに、地方の小さな会社や個人事業主の場合、顔出しによって地元での評判に影響が出る可能性を心配される方もいらっしゃいます。
しかし、現在の技術を使えば、顔出しをせずに動画を制作することも可能です。
アバター（ネット上の自分の分身）を作成し、音声読み上げソフトを使うことで、そのアバターに話をしてもらうことができます。
たとえば、先ほどの美容師の田中さんであれば、美容師をイメージしたアバターを作成し、髪の手入れ方法について解説してもらうことができます。
視聴者にとっては、顔が見えている動画と同じように親しみやすく、情報も伝わりやすいでしょう。
動画制作のハードルについて
「動画制作は大変そう」と思われる方も多いかもしれません。
確かに、最初は慣れないため時間がかかることもあります。
しかし、ブログで5000文字、10000文字の記事を書くことも相当な労力が必要です。
実際に両方を経験した立場から言うと、コツを掴んでしまえば動画制作の方が効率的だと感じています。
文章を書く場合は、論理的な構成を考え、適切な表現を選び、誤字脱字をチェックするなど、多くの工程が必要です。
一方、動画の場合は、話したいことの大まかな流れを決めて、あとは自然に話すだけでコンテンツが完成します。
もちろん、最初はカメラの前で一人で話すことに慣れが必要ですが、慣れてしまえば文章を書くよりもずっと楽だと感じるようになります。
実践的な動画活用戦略
段階的なアプローチ
いきなり本格的な動画制作に取り組むのではなく、段階的にアプローチすることをお勧めします。
第1段階：音声コンテンツから始める
まずは音声のみのコンテンツから始めてみましょう。
スマートフォンの録音機能を使って、自分の専門分野について3分程度話してみます。この段階では、完璧を求めず、話すことに慣れることが目標です。
第2段階：画面録画を活用する
パソコンの画面を録画しながら解説する方法も効果的です。
たとえば、税理士の方であれば確定申告の手順を画面録画で説明する、整体師の方であれば人体の図を使って症状の説明をするといった具合です。
第3段階：本格的な動画制作
慣れてきたら、アバターの活用や本格的な動画制作に挑戦します。
この段階では、より視覚的に訴える内容を心がけ、視聴者の興味を引く構成を考えます。
地方ビジネスでの活用例
実際に地方の小規模ビジネスでYouTubeを活用している例をご紹介します。
例1：地方の整体院
腰痛改善のストレッチ方法を動画で解説し、月間数千回の再生を獲得。動画を見た視聴者が実際に来院するケースが増加しました。
例2：地方の税理士事務所
確定申告の疑問点を分かりやすく解説する動画シリーズを制作。地域の個人事業主から多くの相談を受けるようになりました。
例3：地方の美容院
季節に応じたヘアケア方法を動画で紹介し、新規顧客の獲得に成功。特に、地元の30代女性からの支持を得ています。
これらの例に共通するのは、専門知識を分かりやすく伝え、視聴者の具体的な悩みに答えているという点です。
ブログ集客が困難な時代に必要な視点
集客手段の多様化
ブログ集客が困難になっている現在、重要なのは集客手段を多様化することです。
ブログだけに頼るのではなく、YouTube、SNS、メルマガなど、複数の手段を組み合わせることが必要です。
一つの手段に固執するのではなく、複数の選択肢を持つことが重要なのです。
顧客との関係性構築の重要性
従来のSEO対策では、検索エンジンに評価されることが最優先でした。
しかし、これからは検索エンジンよりも、実際の顧客との関係性構築に重点を置く必要があります。
動画コンテンツは、文章よりも人柄や専門性を伝えやすく、視聴者との距離感を縮めることができます。
これは、地方の小規模ビジネスにとって大きなアドバンテージとなります。
長期的な視点での取り組み
集客方法の変更は、短期間で効果が現れるものではありません。
しかし、現在の状況を考えると、早めに新しい手段に取り組み始めることが重要です。
ブログ集客が完全に不可能になるわけではありませんが、以前のような効果を期待するのは現実的ではありません。
時代の変化に合わせて、自分たちもアップデートしていく必要があります。
具体的な行動計画
今すぐできること
1. 現在の集客状況の分析
まず、現在のブログの集客効果を客観的に分析しましょう。
アクセス数、問い合わせ数、実際の成約数などを数値で把握します。
2. 競合他社の動向調査
同業他社がどのような集客手段を使っているかを調査します。
特に、動画コンテンツを活用している競合がいないかチェックしましょう。
3. 自分の強みの整理
動画コンテンツで何を伝えるかを明確にするため、自分の専門分野での強みや独自の知識を整理します。
3ヶ月以内の目標
1. 最初の動画制作
完璧を求めず、まずは3分程度の短い動画を1本制作してみましょう。
内容は、よく聞かれる質問への回答など、身近なテーマで構いません。
2. 継続的な発信の仕組み作り
週に1回程度、定期的にコンテンツを発信できる仕組みを作ります。
曜日や時間を決めて、習慣化することが重要です。
3. 効果測定の開始
動画の再生回数、コメント数、実際の問い合わせ数などを記録し、効果を測定する仕組みを作ります。
長期的な展望
1. ブランディングの強化
動画を通じて、自分や会社の専門性と人柄を伝え、地域での認知度を高めていきます。
2. 複数プラットフォームでの展開
YouTube以外にも、InstagramやTikTokなど、ターゲット顧客が利用しているプラットフォームでの展開を検討します。
3. 顧客コミュニティの構築
動画を通じて集まった顧客同士が交流できるコミュニティを構築し、より深い関係性を築きます。
まとめ：変化に対応するための心構え
ブログ集客が困難になっている現在の状況は、多くの個人事業主や小規模企業にとって大きな挑戦です。
しかし、この変化を嘆くのではなく、新しい機会として捉えることが重要です。
YouTube動画やその他の集客手段は、確かに最初は慣れが必要かもしれません。
しかし、一度コツを掴んでしまえば、ブログよりも効率的で効果的な集客が可能になります。
重要なのは、時代の変化に合わせて自分たちも変化していくことです。
過去の成功体験にとらわれず、新しい手段に挑戦する勇気を持つことが、これからの時代を生き抜くための鍵となるでしょう。
地方の小規模ビジネスだからこそ、大手企業にはない温かみや専門性を活かした集客が可能です。
その特長を最大限に活かすためにも、ぜひ新しい集客手段への挑戦を検討してみてください。
最後に、集客方法の変更は一朝一夕にはいきません。
しかし、今から始めることで、将来的には大きな差となって現れるはずです。時代の変化を恐れず、前向きに取り組んでいきましょう。