おはようございます!
社員満足度向上コンサルタントをしております、
社会保険労務士の清永仁です。
今回は「育児休業から復帰した社員の給与を引き下げることはできる?」
について、お話させていただきます。
■育児休業に関わる理由で、給与の引き下げはできない
法律では「育児休業の届出や育児休業をしたことを理由にして、
不利益な取り扱いをしてはならない」と定められています。
なので、育児休業から復帰した際に、
たとえ同じ仕事量がこなせない場合でも給与の引き下げはできません。
■給与の引き下げができない理由・背景
なぜこのように定められているかというと、
もし育児休業を取得したことを理由として給与の引き下げが可能であるならば、
育児休業の取得する社員が減ることが予想されるためです。
「育児休業取得したら給料減っちゃうんだ。なら、なるべく取得しないでおこう」
と考える社員があらわれ、取得率が低下します。
国としては、育児休業の取得率を上げることで出生率を上げ、
なんとか人口の減少を食い止めたいわけです。
■育児休業を取得しても給与の引き下げができる場合がある
次のような場合は、育児休業から復帰した場合でも給与の引き下げは可能です。
【復帰前に比べ、労働時間が減った場合】
このケースは多いと思います。
やはり、育児休業から復帰したばかりのときは子供が心配なため、
復帰前に比べて労働時間が減少することも多いでしょう。
その場合は労働時間が減少しているので、その減少した分の給与は払う必要はありません。
要は、
時給換算で計算したときに、復帰前と復帰後で変わらなければいいのです。
【部署の変更など、役割が変わった場合】
復帰前は営業職だったが、復帰後は事務職に変わったなど、
役割が変更したことで給与が引き下がる分には大丈夫です。
ただし、育児休業の取得を理由に会社側が勝手に役割を変えることはダメです。
あくまで、復帰した社員の希望や、就業規則の規定を守った上で変更しなくてはなりません。
「復帰したら部門が変わるなら、育児休業しないでおこう」
と考える社員があらわれるからです。
以上、育児休業についてご説明させていただきました。
育児休業の取得は法律で義務付けられていますが、
まだまだ実施していない会社も多いです。
しかし、
育児休業を取得できるかどうかは、(特に女性社員にとって)
採用やモチベーションに大きな影響を与えます。
ぜひ、育児休業を気軽に取得できるような環境を整えることをオススメします!