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もし給料を引き下げる場合は?

【社員一人ひとりからの同意が必要】

給料を引き下げたい場合、社員一人ひとりから同意を得る必要があります。
(労働組合がある会社なら、労働協約の締結で可能)

法律では、就業規則の変更での給料引き下げの場合、
反対者が少数であり、”正当な理由があれば”給料引き下げは可能となっています。

ただし、”正当な理由があれば”がクセモノで、認められた例はほとんどありません。

もし給料を引き下げたい場合は、社員一人ひとりの同意が必要だと思っておきましょう。

【社員から同意を得るには?】

同意を得ることが必要だと言っても、
そう簡単に給料引き下げの同意を得ることはできないでしょう。

なので、まず同意を得るためにしなければならないことがあります。

■役員報酬のカット
最初は、役員報酬のカットが必要です。

経営陣側が痛みを伴わないで、給料引き下げの同意を得ることは不可能です。
これは絶対に必要です。

もし、役員報酬のカットなしに給料引き下げができたとしても、
社員の反感を買い、トラブルの元となりますので気を付けてください。

■経費の削減、賞与の減額
次に、経費削減と賞与の減額です。

社員側に「給料を引き下げる前に、削減するところがあるだろう」と思われては、
同意を得ることは難しいでしょう。

また、社員に経営が厳しいことを間接的に伝える効果もありますので、
極力、無駄な経費を減らすようにしてください。

賞与の減額に関しましては、
生活保障的な意味合いの強い給料に比べ引き下げやすく、
同意を得る必要もありません。

(賞与の場合でも、同意を得た方が反感を買いにくいので、
できれば同意を得た方がいいです。)

なので、給料の前に賞与から引き下げることをオススメします。

いきなり給料の引き下げだと、同意を得にくいのもありますが、
社員の反感を買うことにもなりますので。

■残業の抑制
最後は残業の抑制です。

これは難しい場合もあるでしょうが、

・作業効率の根本からの見直し
・ノー残業DAYの取り入れ
・新人などの仕事の遅い社員の教育
・社員同士がお互いの仕事を助けあう文化の醸成

など、工夫をすれば残業の抑制は必ずできるはずです。

効果が出るのに比較的時間がかかるものが多いので、
あまり残業の抑制に積極的でない方が多いです。

ただし、人件費を減らせ、生産性も上がるなどメリットは大きいので、
ぜひ取り組んでみてください。

以上のような施策を行った後であれば、
会社側が厳しいこと・頑張っていることが社員に伝わりますので、同意を得やすくなります。

給料引き下げが必要だと感じた場合は、まず上記の施策を行ってみてください。
給料引き下げが自体が必要なくなることも多いですよ。

補足ですが、
給料の引き下げは思っている以上にデメリットが大きいです。

社員のモチベーションが下がり生産性が落ちることはもちろん、
トラブルの元にもなりますので、極力避ける方向で考えてください。

清永 仁
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